全国五億六千万人の荒木ブログ読者の皆様、こんにちは。
さて、本日は「ボロ着」のお話をさせて頂きます。
今、綺麗な洋服がお好みな三億六千万人の読者様がブラウザバックしました。
気にせず続けましょう。
洋服好きな皆様であれば一度はやったことがあると思います、リメイク。
特にジーパン。
古着屋で買った、よく分からない4000円くらいのジーパンの太ももから膝にかけてを、
ハサミで切り、カッターで削り、ヤスリをかけ、横糸が良い感じに出るように手でほぐし、洗濯し、
思ったような出来にならず、失った3時間を嘆く。
このような経験、皆様であれば一度や二度あるのではないでしょうか。ありますよね?
今、共感を得られなかった一億五千万人がブラウザバックしました。
めげてはいけません。続けましょう。
ちなみに僕はというと、先述の手法で恐らく3,4着ほど失敗しています。学生の頃ですけどね。
おかしいなぁ。雑誌に載っていた通りの工程で作業したのに。
そして考え付くのです。
「こんな手が込んだ方法しないで、逆にめちゃくちゃ雑に破いたらいい感じになるのでは」と。
そしてまた5000円以下で古着のジーパンを買ってきて、
思い切り手で破きました。
馬鹿ですね。
結果はご想像の通りです。
厳密に言うと、横に破けるのではなく縦に裂けました。
このエピソードでドン引きした四千九百万人がブラウザを閉じました。
どんどん行きましょう。
ここまで読んで下さっている皆様は、同じ様な思い出を持ってらっしゃる事でしょう。
あの頃の僕らは皆、カート・コバーンやジョーイ・ラモーンのような、
粗野な不良に憧れを感じていた筈です。
なのに何故、こんなにお金をかけて真剣に洋服をズタボロにしているのだろう。
自分がやるべき事は他にあるのではないか。
自分の居るべき世界は果たして本当にここなのか。
こういった葛藤こそが青春だと思います。
そしてその青春を懐かしむ事が、成長した証です。
僕たちは、大人になりました。
こいつ何言ってんだ?と思った九十九万九千八百人がPCをシャットダウンしました。
さぁ、良い具合になってきました。続けましょう。
そんな大人になった僕たちに、最高のプレゼントが届きました。
GOLD(ゴールド)のダメージスウェットです。
ジーパンじゃねぇのかよ、と思った190人がスマホを閉じました。
ここからが本番です。
かなり細かいダメージ加工です。
ボロいのですが、汚らしくはない、丁度いい塩梅でデザインされています。
きっと僕たちがダメにしたジーンズの数よりもっと多く、もっと真剣に、もっと敏感に、
デザイナーの試行錯誤の末に行きついたボロ具合なのでしょう。
凄いです。
シルエットはGOLDらしいオーバーサイズ。
そしてダメージ加工と同じくらい、僕の中で重要なのが「裏毛」。
伝われば幸いですが、90'sのチャンピオンリバースウィーブ的な潰れ方をしていて、
これまた最高です。丁度いい。
そしてまた重要なのが、所謂「長年着込んだような~」という月並みな言葉では表せないユーズド加工です。
こう書くと語弊が生まれそうですが、僕の意見を率直に綴らせて頂くと、
一般的な、ただ「長年着込んだ様な」加工ではなく、しっかりブランド物の新品らしい魅力があります。
そのうえで、かなり手の込んだ加工感が見て取れます。
なので、この文章の最初で脱落した三億六千万人の方でも難なくワードローブに取り入れる事が出来る筈です。
ここまでご覧頂いた10人のうち9人が、
そろそろ夕飯の準備だという事で、台所に向かいました。
ですので、僕は今あなただけに向けてお話しています。
これから肌寒くなる季節です。
このスウェットを着て、あなただけの恥ずかしい失敗を思い出し、
少しだけ体温を上げて、散歩にでも出かけませんか。
そして、近所のリサイクルショップで当時より少しだけ安い3000円くらいのジーパンを買って、
あの頃の失敗とこのスウェットのダメージ具合を参照して、今度こそ理想のボロを作りませんか。
あなたと僕にとって「ボロい」とは、一言では言い表せない魅力がある筈です。